電話をかける 24時間WEB予約

新着情報

皆に知ってほしい!65歳からの栄養について⑧

爽やかな五月の風を感じ、日々が心地よく感じられるこの頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?夜はまだ冷える時もありますので寒暖差による体調の変化にはご注意ください。

先日、当院に関わってくださっている業者様へのお礼と今月から新しく入社する方の歓迎会を兼ねた懇親会を行いました。その際に業者様方からサプライズで当院スタッフの写真をプリントしたケーキをいただきました🤗スタッフも大変喜んでくれてとても有意義な時間を皆で過ごすことが出来て、本当によかったです。これからも当院に関わってくださる皆様に還元していけるように日々の診療を大切におこなっていきたいと改めて感じることが出来ました。

さて、これまでは高齢者の健康維持に必要な栄養素や、栄養不足による全身への影響について取り上げ、食事の大切さを述べてきました。健康長寿に結びつくキーワードの一つとして、現在歯科領域では「オーラルフレイル」という新しい概念についての啓発活動が展開されています。今回は高齢者の栄養状態と強く関連する口腔機能の維持について考えます。

「フレイルとオーラルフレイルの関係」

・オーラルフレイルはフレイル予備軍?!

歯の喪失防止から健康長寿を支える「8020運動」に続く新たなコンセプトとして、「オーラルフレイル」の啓発活動が盛んに進められています。オーラルフレイルは老化に伴う口の様々な機能の衰えが最終的に食べる機能の障害につながるというプロセス全体を示す大きな枠組みで、全身のフレイルやサルコペニアを引き起こす要因として口腔機能に維持・向上の重要性を示した概念です。実際、オーラルフレイルの高齢者は全身のフレイルに移行するリスクが高くなることなどが、これまでの研究で明らかにされています。

「適切な対応で機能回復を図ろう」

オーラルフレイルは、口の健康に対する関心の低下や、口のささいなトラブルから始まり、次第に食べる機能自体が低下したり食事摂取量が低下していきます。進行すると低栄養や摂食嚥下障害になるリスクが高まるだけでなく、ひいては要介護の原因にもなります。しかし一方で、オーラルフレイルもフレイルと同様に意識的に介入することで、早い段階であれば失われつつある口腔機能を改善することが可能です。

悪化して望まない結果につながらないように、見逃されやすい症状に早めに気づき、対応することが求められます。

「オーラルフレイルの始まりはさまざま」

高齢者ケアは、重症度によって病気の治療法が決まるような1つのシナリオに沿った画一的なものではなく、様々な側面を包括的に評価して個別にアプローチするというのが基本です。オーラルフレイルも、自分の歯が少ない、硬い食品が食べづらい、むせやすい、食べこぼす、口が乾く、舌の力が弱い、滑舌が悪くなった、などの口の些細なトラブルから評価していき、それらが積み重なった状態に進むと「口腔機能低下症」としてその人に合った治療が開始されます。

「硬めの食品で噛むトレーニングはできる?」

噛めない食品が増えて柔らかいものばかりを食べていると、ますます噛む力が低下するという悪循環が生じやすくなります。では、噛む力が落ちている人も頑張って硬いものを食べてトレーニングする方が良いのかというと必ずしもそうとは言い切れません。噛める硬さの食品を食べることはとても大事ですが、同時にむせなどの症状があれば窒息の危険性があります。少なくとも噛む訓練は摂食嚥下の専門家の指示のもと行うようにして下さい。すでに必要なタンパク質やエネルギーが十分に摂れていない状態と判断された場合には、多くはONS(経口栄養補助食品)による栄養サポートなどが行われます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

長期予後を獲得するための咬合主導によるインプラント補綴

2022年11月13日に「長期予後を獲得するための咬合主導によるインプラント補綴〜長期症例が裏付ける診査・診断の重要性〜」というセミナーを受講させていただきました。

今回はインプラントをおこなっていくうえで、ガイドシステム(Smop)を用いて行うことが非常に有用であり、それをどのようにして臨床に落とし込んでいくかを学ぶことが出来ました。長期に安定したインプラントであるためには埋入ポジションが非常に重要であるため、それを可能にするガイドシステム(Smop)はとても重要なものであることを再認識することが出来ました。

貞光先生の豊富な知識と臨床経験を惜しげもなくご教示いただき、大変勉強になりました。今後とも研鑽を続け、患者様に還元していけるように精進して参りますので、よろしくお願いいたします。

また、今回のセミナー講師である貞光謙一郎先生と一緒に写真を撮らせていただくことが出来ました。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU&t=4s

 

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

皆に知ってほしい!65歳からの栄養について⑦

最近では暖かな日が続き、桜も咲き誇りいよいよ春が訪れたと感じる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

「高齢者における栄養」についての連載も昨年の9月からスタートして、早いもので半年以上が経過しました。何事も継続するというのは大事ですね。では今回も続きを始めていきましょう。

 

「あんぱんと牛乳の組み合わせは最強だった!」

食欲や口腔機能の低下などによって1回の食事量が減ってきたという人は、間食の回数を増やして1日のエネルギー摂取量を補うようにしましょう。間食にはエネルギーとタンパク質を摂取できる乳製品・卵・豆類がおすすめ。(間食が増える分、虫歯リスクはアップ!都度の歯磨きは忘れずに!)油を多く含みエネルギーの確保ができるクッキーやチョコレート、パンも適しています。

例えば、普段のおやつを「煎餅とお茶」から「あんぱんと牛乳」の組み合わせに変えるだけでも栄養価はかなり変わります。牛乳は脂質が多くカロリーが高いうえにタンパク質やビタミンDが摂れ、水分補給にもなります。あんの原料である小豆にはたんぱく質が豊富に含まれています。

間食によって血中のアミノ酸濃度の変動が抑えられる(食事と食事の間にアミノ酸濃度が下がらない)とたんぱく質合成能も高くなるので、この組み合わせのおやつは高齢者にとって最強と言えるのです。

「地中海食で健康増進を」

近年、n-3系、n-9系の油を上手に摂れる地中海食が注目されています。地中海食はイタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国の人が食べている伝統的な料理のことで、肥満を予防・改善するダイエット関連のワードとして目にすることも多くなりました。

地中海食の定義は広く、特徴としては加工度を最小限にとどめ、その地域でとれた旬の新鮮な食材を使った料理であること。魚介類やオリーブオイル、ナッツ類などを多用し、赤身肉の使用と加糖(菓子)を減らして、植物性食品が豊富に摂れるような食事パターンになっています。

地中海食は死亡率の低下や、心血管疾患、がん、アルツハイマー病などの発生率の低下との関連が多数報告されています。複雑な調理手順がなく、入手の難しい食材や特別な調理器具も必要としないので、日常の食事に気軽に取り入れてみてはどうでしょうか。

『地中海食の特徴』

・果物や野菜、オリーブオイル、ナッツ類、豆類、未精製穀物を毎食使用。

・乳製品や肉よりも魚を多く使う。(牛肉、豚肉、菓子は月に数回程度)

・食事と一緒に適量の赤ワインを飲む。

「高齢者も運動で筋肉量を増やそう」

フレイルやサルコペニアは筋肉が減っていく、または筋肉のパフォーマンスが落ちている病態。その予防・改善にはたんぱく質摂取と合わせて「運動」が重要です。運動には大きく分けて、散歩などの有酸素運動、筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行うレジスタンス運動(筋トレ)、ストレッチング・体操がありますが、高齢者には難しいと思われがちな筋トレも、階段昇降や椅子立ち上がりなどの工夫の仕方によっては十分実施が可能です。中でもおすすめは、腰を落とした四股(しこ)の姿勢。下半身(大腿部・臀部)の大きい筋肉と体幹のバランスを鍛えることができて転倒防止につながります。運動習慣は生活習慣病にも効果的です。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

輝く白い歯で「脱・マスク生活」始めませんか?

春を感じるような暖かな日が続くようになり、またマスクを外して生活したり楽しく仲間で外食することも徐々に増えてきたのではないでしょうか?

輝く白い歯で、明るく楽しく生活して欲しい!

そんな想いから、当院ではホームホワイトニングを皆様にお得に始めていただきやすいように価格改定を行いました★

この機会にご検討ください😁

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU&t=5s

 

 

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:お知らせ

外科的再根管治療のセミナーを受講しました。

2022.10.8-2022.10.9の二日間にわたって、「外科的再根管治療の意思決定と実践」というセミナーを受講させていただきました。

牛窪先生の豊富な経験と知識を惜しげもなくご教授いただき、大変勉強になったセミナーでした。

今回のセミナーの講師として奈良でご開業されている橋本先生にもお会いできました。大学の先輩でもあり、橋本先生の医院を見学させていただいたりと大変お世話になった橋本先生と、セミナーの主宰者である牛窪先生と一緒に写真を撮らせていただくことが出来ました。今後とも研鑽を続け、患者様に還元していけるように精進して参りますのでよろしくお願い致します。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

皆に知ってほしい!65歳以上の方々の栄養のこと⑥

長かった冬もようやく終わりが見えてきましたね。最近はまさに三寒四温といった日が続いており、待ちに待った春があともう少しで訪れようとしている今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回も引き続き65歳以上の方々の栄養についての連載を続けたいと思います。

『ビタミンDはどう摂取すればいい?』

摂取量の目安はどのくらいなのでしょうか?ビタミンDの1日の摂取目安量は8.5μg。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいため100μgを上限としていますが、日常の食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。食事で充分に摂取できない場合にはサプリメントなどで補うと良いでしょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を調節したり、骨の代謝を活発化したりする働きがあるほか、筋力や身体機能にも関連していて、不足すると転倒や骨折のリスクが高まります。フレイルやサルコペニア、骨粗鬆症の人は、健常な人と比べてビタミンDの血中濃度が著しく少ないことが知られており、最近では骨粗鬆症(オステオポロネーシス)とサルコペニアが併存したオステオサルコペニアという概念も注視されるようになってきました。

ビタミンDが多く含まれている食品には魚介類(ビタミンD3)、キノコ類(ビタミンD2)などがあります。100gあたりの含有量は、紅鮭(焼き)で38.0μg、うなぎ(蒲焼)で19.0μg、干し椎茸で17.0μg。卵や乳製品にも少なからず入っており、牛乳なら1杯200gとして0.6μg摂取することが出来ます。ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されるので、高齢者に活動度を高める動機付けとして外出を促すことはとても有効です。

『油の種類と機能の話』

油は主成分である脂肪酸の組成によって性質が変わります。

n-3(オメガ3)系脂肪酸、n-6(オメガ6)系脂肪酸、n-9(オメガ9)系脂肪酸は機能性を持った脂肪酸で、このうちn-3系とn-6系は食事から摂らなければならない必須脂肪酸。それぞれ違う働きをするn-3系とn-6系は摂取するバランスが重要で、1:4の比率が望ましいとされています。油をうまく摂るコツとしては、n-3系のa-リノレン酸は熱や光、空気で酸化しやすく、高温での調理には向かないため、サラダなどにかけて食べるのがおすすめです。DHAやEPAはサプリで補うのも良いでしょう。

逆にn-9系は抗酸化成分が多く酸化しにくいので、加熱料理にも向いています。

n-6系のリノール酸は加工食品などにも含まれており、気づかないうちに過剰摂取にならないように注意が必要です。高齢者の食事ではまずエネルギー確保が大前提です。脂っこいものが苦手という人は、比較的胃もたれしにくいMCTオイル(中鎖脂肪酸)などを使って油を摂取するようにしましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

インプラント補綴セミナーを受講しました。

2022.5.29に受講させていただいたセミナーでした。

東京で開催されたセミナーしたが、とても有意義で様々なケースを包み隠すことなくご教示いただき大変勉強になったセミナーでした。今後とも引き続き研鑽を続け、患者様に還元していけるように精進して参りますのでよろしくお願い致します。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

 

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

皆に知ってほしい!65歳以上の方々の栄養のこと⑤

暦の上では春となり寒い日が続く中にも時折、春の訪れが近いことを感じることも増えてまいりました。皆様はどうお過ごしでしょうか?

さて、65歳以上の方々の栄養のことと題して連載しておりますが、早くも5回目となっております。まだしばらく続きそうですが、お付き合いいただければ幸いです。

『アミノ酸スコアを活用してみよう』

体を作るタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。そのうち11種類は体内で合成できるのですが、残りの9種類(必須アミノ酸)は毎日の食事から摂らなければなりません。

さらに大事なのは、9種類それぞれの必要摂取量をバランスよく摂取するということ。必要量を満たしていないものが一つでもあると、それに合わせたタンパク質しか合成できないからです。

そこで、食品に必須アミノ酸がどれくらい満たされているかを分かりやすく示したのがアミノ酸スコアです。タンパク質を含む食品の中でもアミノ酸スコアが高い食品を選ぶことで、効率よく必須アミノ酸を摂取することができます。

 

 

『ビタミンDはどう摂ればいい?』

「摂取量の目安はどのくらい?」ビタミンDの1日の摂取目安量は8,5μg。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいため100μgを上限としていますが、日常の食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。食事で十分に摂取できない場合にはサプリメントなどで補うと良いでしょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を調節したり、骨の代謝を活性化したりする働きがある他、筋力や身体機能にも関連していて、不足すると転倒や骨折のリスクが高まります。フレイルやサルコペニア、骨粗鬆症の人は健常な人と比べてビタミンDの血中濃度が著しく少ないことが知られており、最近では骨粗鬆症(オステオポロネーシス)とサルコペニアが併存したオステオサルコペニアという概念も注視されています。

『魚に多いビタミンD』

ビタミンDが多く含まれている食品には魚介類(ビタミンD3)、キノコ類(ビタミンD2)などがあります。100gあたりの含有量は、ベニザケ(焼き)で38.0μg、うなぎ(蒲焼き)で19.0μg、干し椎茸で17.0μg。卵や乳製品にも少なからず入っており、牛乳ならコップ一杯200gとして0.6μg摂取することが出来ます。ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されるので、高齢者に活動度を高める動機づけとして外出を促すことはとても有効です。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

皆に知ってほしい!65歳以上の方々の栄養のこと④

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

ブログを更新しようと頭の中で常に片隅に置いて考えていたのですが、早いもので気付けばあっという間に1月も中旬を迎えておりました。日々の仕事や雑務に追われていると、本当に日々が過ぎるのが年々早くなっていくと痛感しております。

さて今回も引き続き『高齢者の栄養』について述べていきたいと思います。

ご高齢の患者様の中には、歯や口腔の問題から食事量が低下している人や、病気の予防・治療のために食塩・タンパク質・カロリーなどを摂取制限することで食事から十分なエネルギーと栄養が摂れていないという人が多くいます。

高齢者が筋肉量や身体機能を維持する上で欠かすことのできない二つの栄養素を中心に解説していきます。

『フレイルやサルコペニアの予防・改善には栄養が必要!』

健康を保つためには、さまざまな食品群の食品・食材を満遍なく食べることが大切です。しかし、高齢になると病気や加齢による食欲不振から食事量が減ったり、偏った食事になったりすることで、実は必要なエネルギーや栄養素を十分に摂れていないことが少なくありません。栄養不足は筋肉量が減少するサルコペニアの原因にもなり、サルコペニアによって基礎代謝量が低下し、エネルギー消費量が減れば、食欲や食事量も低下して低栄養となり、さらに活動度が落ちるという悪循環(フレイル・サイクル)へとつながります。要介護状態になるリスクを減らすためには栄養が必須なのです。

『タンパク質とビタミンDをしっかり摂ろう!』

特に高齢者に摂って欲しいのが、タンパク質とビタミンD、そして油(脂肪酸)です。

タンパク質は筋肉や臓器などを構成する主要な成分で、生体機能を調節する酵素やホルモン、抗体を作る役割も担っています。ビタミンDは骨の健康に不可欠なだけでなく、さまざまな細胞の代謝にも関与する栄養素です。油には高齢者に最も大事なエネルギーを補うほか、健康に良い機能を併せ持つものがあることがわかっています。フレイル予防にこれらを意識的に摂るように心がけましょう。

なお、フレイルの人は亜鉛などのミネラルやビタミン類の血中濃度が基準値を下回っていることがよくあります。これは単に栄養摂取不足を反映するものであって、上記のように「補充することに価値がある」ということとは意味が違っています。欠乏症状がある場合は別ですが、その他の栄養素については単独で摂取をすすめるだけの十分な科学的根拠は今のところ得られていません。

フレイルやサルコペニアの予防・改善には、筋肉量、筋力、身体機能と強く関連するタンパク質を十分に摂取することが重要です。高齢者(65歳以上)のタンパク質の推奨量は体型や身体活動量に関わらず、男性は1日に60g、女性は50gを下限としています。

言い換えれば、1日に体重1kgあたり1.0〜1.25g以上のタンパク質を摂取する必要があるということなのです。

一見簡単なようですが、今元気な地域在住高齢者でさえ、多くは1g/kg体重/日も摂れていないのが現状です。では、タンパク質は食材にどのくらい含まれているのかというと、肉類の場合、鶏ささみ(若鶏・生)100gで23,9g、和牛ヒレ(生)100gで19.1g。調理方法などにもよりますが、50g以上のタンパク質を摂るには軽く250g程度の肉を食べなければならない計算になります。

『タンパク質の合成にはエネルギーが必要』

私達は食事で摂取したタンパク質を一旦アミノ酸に分解して、それを吸収して自分の体に必要なタンパク質を合成しています。そして、その過程では非常に多くのエネルギーが消費されます。ということは、タンパク質だけを一生懸命摂れば良いわけではなく、それに見合うだけのエネルギーを摂取しなければタンパク質は合成できないのです。

高齢者に必要な摂取カロリーは、年齢や性別、身体活動量によって異なりますが、低栄養の人なら体重を維持できる最低量ではなく、体重が増えるくらいの量が必要です。目標とするBMIの範囲も65歳以上では21.5〜24.9と高めになり、死亡リスクを見ても男性の場合BMI26くらいが最も低いことがわかっています。基準範囲以下の人は筋肉量を増やして体重を増やす。それが健康の秘訣と言えそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ

老年栄養をより理解するためのトピックス

寒さも本格的になってきた12月皆様いかがお過ごしでしょうか?

師走というだけあって何かと慌ただしい季節ですが、体調に気をつけて健康的に過ごしたいものですね。

さて、今回は老年栄養を理解するためのトピックスをご紹介します。

『食事のバランスは食べ方の工夫で考えよう』

食事は朝食・昼食をしっかり食べた方が1日の栄養摂取量が増えることが分かっています。朝食で栄養素を補充すると同じものを夜食べた時よりもエネルギー生産量が増え、食事によるエネルギー代謝(食事誘発性熱生産)も増大します。すると食欲も増し、全体の食事量が改善します。また、朝・昼・晩の栄養素の摂取バランスは3:3:4にするなど、極力似たようなバランスにすることが重要です。高齢者にとってのバランスの良い食事とは、栄養素のバランスよりも食事量のバランスが大事なのです。

『タンパク質は朝から摂ろう!』

朝食・昼食では特にタンパク質を積極的に取りましょう。朝食ならご飯と味噌汁に卵や牛乳などの乳製品、納豆などの豆料理をプラスするのがオススメです。

これは朝・昼・晩でタンパク質の摂取量をある程度一定にすることが目的。血中のアミノ酸濃度があまり変動しない方がタンパク合成能は高くなることが知られているからです。

この方法は栄養サポートの最初の一歩で、食事の強化(food fortification)というアプローチ法の一つ。日本ではあまり普及していませんが、海外では次の段階としてONS(経口栄養補助食品)による栄養摂取が栄養サポートのスタンダードとなっています。

『病気による食事制限も切り替えを』

病気によって食事制限をしている高齢者も栄養摂取量を落とさない食事に切り替えが必要な場合があります。

糖尿病や腎臓系の学会は年齢に応じて血糖コントロール目標や食事制限を緩和し、フレイルやサルコペニアの高齢者に関してはその限りではないと提言しています。これには、例えばサルコペニアが進行した状態の慢性腎臓病の人が型通りのタンパク質摂取制限をすることで、容易に要介護状態に近づくリスクを減らす意義があります。ただ、ここにも「すりこみ」による障壁が。一度すり込まれた食事指導はなかなか上書きしづらいという問題があるのです。

『地域在住高齢者のケアこそ歯科衛生士に』

比較的元気な地域在住高齢者に栄養不足の問題があるとすれば、それは口腔機能に原因がある可能性大です。口腔機能が低下していればフレイルやサルコペニアに対するタンパク質・エネルギー摂取に支障が出ます。特にタンパク質摂取で肉を食べる時には、咀嚼力が食べる量に直接影響します。咀嚼、口腔機能に特化した評価は歯科衛生士の領域であり、その役割は非常に重要です。ぜひフレイルやサルコペニアの知識を身につけ、口腔機能の向上の重要性をあらためて考えてみてください。

また、肉を柔らかくする調理法などを知っておくことも大切です。どのタンパク質を取るのが一番良いかといえば鶏肉なのですが、鶏肉は高齢者には噛みにくい食品です。食べやすい調理法を取り入れることも大事になってきます。

https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU

北浜の歯医者天満橋からも通える北浜8020デンタルクリニック|北浜駅すぐ

日付:  カテゴリ:院長ブログ