厳しい冬も過ぎ去り、桜の花も咲き揃い出し心躍る季節となりました。
これから新生活を始められる方も多いかと思いますが、皆様体調に気をつけながら新生活をお過ごし下さい。
当院にも新卒の衛生士が入社いたしました。
新入社員の清らかな初々しい眼差しは私たちに初心の大切さを思い出させてくれます。スタッフ一同、初心を忘れずに気を引き締め直して日々の診療に臨むようにしていこうと改めて思いました。
さて、新生活を始めるに伴って環境が変わると知らず知らずのうちに何かとストレスが溜まっていたりするものですよね。
そんな日常生活におけるストレスを解消するための生理現象として就寝時に歯ぎしり・食いしばりが起こると考えられています。
就寝時の歯ぎしり・食いしばりによる歯に加わる力はお食事の時のそれと比べると約6倍にもなるとも言われています。その理由として覚醒時では噛む力を脳が制限をかけてくれているのですが、就寝時などではその制限がない状態のため、とんでもない力で歯ぎしり・くしばりをしてしまうと言われています。
ある研究では大柄な力強い男性ではなく、小柄な細い女性であったとしても就寝時の歯ぎしり・食いしばりによって、100kg以上の力でグリグリ・ギシギシと歯を揺さぶり、削っている場合があるという報告もありました。
歯ぎしり・食いしばり自体をなくすことはなかなか難しいですが、対策はあります。
一つ目の対策は就寝時にマウスピースを使用し歯を守る。
二つ目の対策はボツリヌストキシン製剤を咬筋に注射し、筋肉の働きを弛緩(緩める・弱める)させ、歯ぎしり・食いしばり自体の力を弱める。
基本的にはマウスピースを使用していただくことになろうかと思いますが、症状や必要に応じてボツリヌストキシン製剤を使用することを検討してもいいかもしれないですね。
ボツリヌストキシン製剤に関しては、また次回にでも詳しく述べたいと思います。
歯ぎしり・食いしばりは音が出ない場合も多く、ご自身の自覚やご家族の指摘がなくても、おおよそ96%の人が寝ている間や無意識のうちに行っているという報告もあります。
エラが張っている、口の中の骨がゴツゴツ・デコボコとしている、歯がしみる、歯がすり減っている、歯や詰め物がよく欠ける、割れる・頭痛や肩こり・顎の関節が痛む・朝起きた時に顎の辺りがダルい感じがある。
これらは歯ぎしり・食いしばりに関連すると考えられる症状です。
当院では歯を守る為にマウスピース(ナイトガード)の装着をお勧めしております。保険診療の範囲内(おおよそ6000円程度)で作成可能です。
ご自身の症状などから気になることなどがありましたら、お気軽にお問合せいただければ幸いです。